T’s Line blog-映画についての備忘録-

兼業主婦が仕事と子育ての合間に見た映画などについて、さらにその合間に綴るブログです。ブログタイトルのTは好きな俳優さんのお名前のイニシャルがことごとく「T」なため。LineはTのうちのお一人の主演作、新東宝「地帯シリーズ」から拝借しています。。

松竹大谷図書館で50年前の吉田輝雄を追っかける

映画の備忘録じゃなくて、図書館の備忘録。

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3月23日、偶然にも吉田輝雄さんのお誕生日だったのですが!松竹大谷図書館に行って吉田輝雄三昧して来ました(๑'ᴗ'๑)

 

邦画好きの方には有名な図書館なのかな!?邦画には殆ど興味のなかった私は今年その存在を初めて知りました(そのきっかけも輝雄さん出演作についてあれこれググッていたら、私と同じように輝雄さんにはまった若い方(「同じように」は「若い」にはかかってません(`・д・´))が行かれたというブログを読んだからですが^^;)。

松竹の専属俳優だった時期もある輝雄さん、松竹作品には沢山でているのですが、今、ソフト化されていて見られるものは「今年の恋」「秋刀魚の味」「古都」「吸血鬼ゴケミドロ」の4つだけ。他はネットで検索してもやはりなかなか情報がありません。過去に名画座CS放送でかかったのを見られた方の感想か、あんまり信用おけないデータベース(「網走番外地 大雪原の対決」のストーリーを読んだら全然違ってた)のストーリー&キャスト、スタッフ表くらい。

 

そこで松竹大谷図書館に行ってみよう!と思い立ちました。松竹大谷図書館は演劇と映画の専門図書館で、歌舞伎、演劇、映画(主に松竹作品。+他社の邦画と外国映画も)の脚本やポスター、プレスシート、スチル写真、紹介記事のスクラップブックなどが閉架式で収められている図書館。歌舞伎座の近くにあるビルのワンフロアの一角にひっそりと?ある図書館なので、たぶん、気にしてなかったら通りすぎちゃいそうなところで。

 

1月に1回、2月は行ってみたら休館日だったorz・・・3月に1回、それぞれ、朝、図書館の近くで多めのブランチをとって10時半から4時くらいまで一日引きこもる、という過ごし方。いや~、もう、すごく楽しいです(*゚▽゚*)オタク気質の方ならこの充実感は分かっていただけるかとw

 

行ってみたら、もう、一日引きこもっていてもまだ足りないくらいの資料の数々。スチル写真はソフト化されていない作品の雰囲気を知る(&輝雄さんのハンサムさを確認)するにはうってつけ!そして、当時の宣伝担当の方が切り抜いて保存されていた新聞記事や撮影時のポジフィルムを貼り付けたと思われるスクラップブックはもう、楽しくて楽しくて!

 

1月に見た資料は。。。

「今年の恋」「愛染かつら」「霧子の運命」「真赤な恋の物語」「男の歌」

の輝雄さん主演作&岡田茉莉子さんとの共演作の5作品

 

 3月は

「大悪党作戦」「犯罪のメロディー」「秋刀魚の味」「男の影」「古都」「東京さのさ娘」

と石井監督&井上梅次監督と組んだ新東宝っぽいアクション映画&人気女優さんの相手役を務めた2作品&小津映画など

 

これだけ見たけど、まだまだ見られていない輝雄さん作品が残っています。

 

それぞれ印象深かったもの(どれも印象深かったんだけど)

「今年の恋」(1962年公開)

松竹入社第一回主演作品。松竹が輝雄さんを売り込むのにどれだけ力を入れていたかが伝わる記事がたくさん!何にフォーカスして売り込むか、って話を宣伝部がしてる、なんてのが。それが最終的に「今年の恋」のプレスシートに記載されていたりします(チャームポイントは何か、とか知り合いに有名人がいればそれも売りになるぞ、とかw)。あと、小料理屋の「愛川」の鴨居に思いっきり頭をぶつけるシーン、最初から思いっきりぶつけてて、でも痛いとかいわなかったんだけど何回かやっててさすがに参ったとか、そんな話もw

 

「愛染かつら」(1962年公開)

元は戦前に作られて大ヒットした映画。そのリメイクということ、時代的なズレや、映画界そのものが斜陽に向かっていた時期ということもあって、松竹の迷走なんじゃないか、なんていう公開前の批評から、公開後に以外と若い人に観られてるよ、なんて記事まで。あと、輝雄さんについて「エロキューション」がまだまだ、と書かれている記事が(^-^;)確かに、若い頃の作品は滑舌も発音も聴き取りにくいことが多いもんなー、と(^-^;)

 

「男の影」(1964年公開)

主演は園井啓介さん。「ゴールドアイ」で敵として出てくるのしか見たことないのですが、映画の公開当時は人気テレビスターだったようです。この作品を観られた方の感想を観ると、輝雄さんの出番は結構少ないようなのですが、当時のスクラップを見ると、出番めっちゃ多そうなんですよw輝雄さん主演かな?ってくらいwあと、竹脇無我さんをこの作品から売り出そうとしていた様子。「男の影」は三ヶ月の入院後(肝機能障害とか書いてあった気が)、復帰一作目、とのことらしかったんですが、それより、NHKドラマに出演拒否したとかでなんか騒がれてたらしいというインタビューが気になって。ご本人インタビューではそれは誤解という話だったけど、何があったのやら。秋刀魚の味でご一緒されていた佐田啓二さん主演作(このドラマの途中で事故死されたようです)だったようなので、共演作が一つなくなったのかと思うととても残念。

そしてこの映画、復帰第1作だというのになかなかハードな撮影をさせられていた様子^^;
扁桃炎にもなって39度の熱があるのにヘリからの上空撮影のために犯人追いかけて走り回るという。終わったら息できなくて倒れ込んだとのこと。次回作も決まっていて休みたくても休めないと。この頃の役者さんたちって大変ですわ。。。

 

「犯罪のメロディー」(1964年公開)

井上梅次監督。主演は待田京介さん。ネットでみられるストーリーだと輝雄さんが何の役かも分からないレベルだったので あんまり期待してなかったのですが、スチル写真とかスクラップみたら主演陣の一人でめちゃくちゃかっこいい役だったので(//∇//)とても観たくなった作品です。
役柄的には肺を病んだトランペッターで、余命いくばくもなく、スリルのために犯罪に手を出す。最後は自分を犠牲にして仲間を助ける。。。と最後の美味しいとこはやはり!?輝雄さんが持って行っている様子wスクラップブックにあったインタビューで、当時メロドラマにでまくってたのに、深夜にテレビで放送していた新東宝作品のおかげで、「ファンレターの7割はこういうギャング映画系でファンになった人なんです」的なコメントがあって笑いました(∀)ということで、「決着(おとしまえ)」での当時の観客についての心配は杞憂かもしれないですw

なお、井上梅次監督作品三本における輝雄さんの役は「ピアニストとしてクラブに潜入捜査に入る刑事」(真赤な恋の物語)、「ミュージカルの演出家」(踊りたい夜)、「肺を病んで余命少ないトランペッター」(犯罪のメロディー)、となぜか音楽付いているのが面白いです。あんまりミュージシャンっぽい感じしないのに(∀)

 

「大悪党作戦」(1966年公開)

石井輝男監督。主演は輝雄さんと宍戸錠さん。こちらは準備稿や完成台本も読みました。(でも、いつか映画を観られた時の楽しみのために!と全部は読まなかったのですが)で、驚いたのが準備稿は一番最初に田村正和の名前があったこと。松竹はこの前にも石井監督×竹脇無我でアクション映画を撮っていて(「日本ゼロ地帯 夜を狙え」など。私のアイコンがこれ)、アクション映画で松竹の若手を売りだそう、とそういう考えだったのかもしれません。田村正和が石井映画って全然想像できないですけどね。

 

 「古都」(1962年公開)

岩下志麻さんとの共演作。映画は京都の四季を写します。夏の祇園祭の夜のシーンでは志麻さんや長門裕之さんは浴衣で、輝雄さんや早川保さんは半袖のシャツ1枚で歩いています。が、なんとこれが真冬の京都で撮影していたそうで!映像では普通に暑い夏のワンシーンにしか見えてなかったのでとてもびっくり!あと、DVDも観てますが、岩下志麻さんがめっちゃかわいいです!!ほんと!!スクラップブックなどの資料はやはり志麻さんがフォーカスされています。

 

秋刀魚の味」(1962年公開)

他の作品と違ってパンフレットみたいなのまであって、扱われ方が別格でした。撮影前にキャスト、監督が集まっての記者会見も行われていた様です。記者会見で小津映画常連さん達はみんなノーネクタイ(佐田さんにいたってはTシャツにスラックス)なのに、輝雄さんだけキッチリ、スーツにネクタイで、めちゃめちゃ緊張してるのだなぁ、とw

記者会見では小津監督は「吉田輝雄の出演作をみたことはあるか?」という質問をされていて、「観るのと作るの両方はできないよ」という味のあるコメント。「本人を見ればわかるから」と。だから、他の作品ではみれない表情が「秋刀魚の味」で撮られてるのでしょうね。あと、「俳優は絵具」という小津監督のコメントが載っていて(監督の筆にあわせてキャンバスを色づけるものといったニュアンスでした)、演技はいらないんだ、的なこともおっしゃっておられました。やっぱり「大根と人参」を小津監督に輝雄さんで撮ってほしかったなー、とあらためて思いました。小津カラーの吉田輝雄もっと観たかったです。

 

「真赤な恋の物語」はスクラップブックに撮影の合間も写したポジフィルムがあって和やかな雰囲気が伝わったり、岡田茉莉子さんとの共演でスチル写真の二人はとてもキレイだったし(〃'▽'〃)(4月のシネマヴェーラ渋谷での上映が楽しみ!)、「霧子の運命」は輝雄さんには珍しいヘタレな役で情けなく俯いてるような写真はなかなか見られないぞ!とか50年以上昔の写真を見ながら楽しい時間を過ごしました。

 

私は観る内容にめちゃくちゃ偏りがありますが(^-^;)映画や演劇が好きな方にはみんなきっと楽しく過ごせる場所だと思います。スクラップブックなんて国会図書館にもないわけですからね。ほんとにとっても素敵な場所!資料保存のための費用を賄うためクラウドファンディングなどもされていたようで、知ったときにはもう終わっていましたが、次、何かあったときには私も参加したいなぁ、と思いました。そのくらい、ほんと貴重な資料を見させていただいたなぁ、と。

 

図書館の人にはそろそろ何が目的で来ているかバレているかなぁ(^-^;)

 

写真は「今年の恋」のプレスシート。ラピュタ阿佐ヶ谷の上映時に掲出されていたものですが、これも手に取ってみれました。知り合いの有名人=学生時代は大洋の近藤選手と3番4番って書いてあるの分かりますかねー。

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そして懲りずにまた行く人。

kinakossu.hateblo.jp