T’s Line blog-映画についての備忘録-

兼業主婦が仕事と子育ての合間に見た映画などについて、さらにその合間に綴るブログです。ブログタイトルのTは好きな俳優さんのお名前のイニシャルがことごとく「T」なため。LineはTのうちのお一人の主演作、新東宝「地帯シリーズ」から拝借しています。。

またまた松竹大谷図書館で50年前の吉田輝雄を追っかける

またまた行ってきました松竹大谷図書館。 (もう完全に趣味に振り切ってる記事)

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2カ月ぶり!4月は「真赤な恋の物語」をシネマヴェーラ渋谷で鑑賞するためにお休みとっちゃったので我慢。自分のご褒美的な有給の利用は月一で、という誰も何も言ってこない会社ですがマイルールですσ(^_^;

 

はい、で、今回も松竹大谷図書館の近くで10時から朝ごはん食べてから図書館に向かい、夕方近くまで引きこもっておりました(昼ご飯抜きでも大丈夫なように近くのサブウェイで朝からポテトのついたガッツリなセットで腹拵え)。

 

前回の図書館備忘録はこちら

kinakossu.hateblo.jp

 

今回は五所平之助監督で岩下志麻さんと共演の「100万人の娘たち」、倍賞千恵子さんと共演した「恋人よ」、井上梅次監督の「踊りたい夜」、中村登監督の「求人旅行」そのほかに「渚を駆ける女」「恋と出世に強くなれ」「彼女に向かって突進せよ」「泣いて笑った花嫁」の計8作品の資料を借りては返しを繰り返し(≧▽≦)

松竹大谷図書館は閉架式の図書館なので、資料を借りる時には目録から借りたい作品を探し、そのコードや資料名を貸出カードに書いて司書の方に渡し、書庫から該当の資料(スチル写真やスクラップブック(宣伝・公開時の新聞記事、ポジフィルムなどが貼られています)、パンフレットなど。ポスターは事前に予約すると見られるそうです)を持ってきてもらう、という形式です。

で、休みも取らず資料を連続で借りまくっていたため、最後に借りた「泣いて笑った花嫁」の資料を戻す時には図書館の司書の方に当然のようにまた貸出カードを渡されそうになり、「あ、今日はこれでσ(^_^;」と返事をすると「あら、そうですかー」と少し残念そうに返事をされた次第ですw

 

 で、今回見た資料のなかから印象深かったものについての備忘録。

 

まずは

「100万人の娘たち」(1963年公開)

宮崎で観光バスのバスガイドを勤める岩下志麻さんとお姉さんの小畑絹子さん。志麻さんの応援もあって小畑さんはバスガイドの教官でホテルの支配人の輝雄さんと結婚するんだけど、志麻さんも実は輝雄さんのことが好きだった、というお話(100万人の娘というのは東京で働くBG(ビジネスガール)のことで、志麻さんは最終的には宮崎を出て東京で働きます)。スクラップブックにあった新聞記事の最初は岩下志麻さん主演だということだけが決まっていて、志麻さんの姉役を誰にするかなかなか決まらない、という記事から始まっていました。最初は司葉子さんともうお一人(こちらも有名な女優さんでした。失念。。。)が候補にあがっていて、お姉さん役が誰かによってメインの男性キャストが佐田啓二さんか輝雄さんになる、と書かれていて面白かったです。松竹専属だからこういう流動的な感じでもキャスティングできちゃうんだな~と。

あと、舞台が宮崎。 志麻さんの役のようなお仕事がんばってる女性は「BG」。そして仕事はバスガイド。当時の空気感がめっちゃ伝わる映画&資料の数々でした。そしてこの映画用に松竹がデザインしたバスガイドさんの衣装がかわいかったということで、撮影に協力した宮崎のバス会社の制服に実際に採用された、という記事も面白かったです。

 

「求人旅行」(1962年公開)

岡田茉莉子さんと「霧子の運命」を撮ったあとの作品のようなのですが、なんと、一ヶ月半くらいの病気療養後の復帰第一作とのことで。「男の影」の資料を同じくこちらの図書館で見たときも復帰第一作、と書かれていたので、2年の間に二回もダウンなのかよー!と、療養期間考えたらダウンしてなかったらこの間にあと二本くらい映画撮れてたのかもしれん、とか想像するととてももったいないです(。・ω・。) 

この映画は日本を旅行しながらホテルの従業員を集める、という喜劇(すごいざっくり)。ホテルの女将の高千穂ひずるさんと桑野みゆきさんの義理の親子と、南原宏治さんと輝雄さんの今で言う人材派遣会社みたいなところの社員の先輩後輩コンビが旅の先々で一緒になり・・・というお話。で、なかなかの強行スケジュールで日本平や伊勢志摩、大阪(あと中禅寺湖だったかなー、関東にも)とあちこちで撮影したようで、復帰第一作なのに容赦のないしんどい撮影だったようですw ただ、関西での撮影中に少し休暇が取れたようで、でもその休暇も宣伝のためなのか、建て替えた大阪のご実家に桑野みゆきさんを伴って帰って、「吉田輝雄」と表札の出てるお家の門の前で取材wすごい時代ですw 大阪の撮影では輝雄さんと桑野さんの人気ぶりに中村監督もご機嫌だった、なんて記事もありました😃あと、伊勢志摩で撮影してるときに取材にきた新聞記者さんのコラムみたいなのがあって、その記者さんと一緒に飲みに出かけたらお店にいた女性たち大騒ぎ。「触らせてー!」とか言われてたってあって笑いました( ̄∇ ̄)気持ちは分かりますw

 

 

「踊りたい夜」と「泣いて笑った花嫁」はスクラップブックの内容はあんまり覚えてなくてσ(^_^; ただ、こちら、どちらも倍賞千恵子さんと鰐淵晴子さんの共演作。で、お二人ともかわいいのですが、鰐淵さんのカワイさと言ったら(๑'ᴗ'๑)「泣いて笑った花嫁」では輝雄さん×倍賞千恵子さん×鰐淵晴子さんのスリーショットのスチル写真とかもあったんですけど、倍賞さんが霞むレベル。ほんとめっちゃ可愛かったです(๑'ᴗ'๑)

「渚を駆ける女」は主演の女優さんは"脱ぎっぷりがいい”みたいなことで注目された女優さん(「決着(おとしまえ)」では梅宮さんの相手役です)。共演は佐野周二さんとか高峰三枝子さんとか蒼々たるメンバー。撮影は小津監督作品でカメラマンをされていた厚田雄春さんとすごいメンバー。そして輝雄さんも船員姿でとてもかっこいいスチル写真も観られたんですが、映画そのものはそういう女優さんを使っているのでう~んという感じでσ(^_^;あと、第二の佐田啓二って期待されてたのにいまいち伸び悩むみたいな感じでインタビューされておりました(^◇^;)相変わらずかっこいいんだけどな~。松竹ももっときちんとした作品をふってくれませんかね(。・ω・。)

 

 

 

「恋と出世に強くなれ」(1963年公開)

 こちらは「おいおい!」と言いたくなるほうで印象に残っちゃった作品σ(^_^;この作品、渥美清さんの映画がクランクインする予定だったのに渥美さんが病気で倒れてしまって、急遽企画されて作られた映画で撮影期間は10日あまり。桑野みゆきさんとの共演ではあるのですが、松竹で今からスターに育てようとしてる俳優にそんなやっつけ作品やらせるのかよー(◎-◎;)と思いました。この年は「古都」の公開があったり、江利チエミさんからのご指名で共演作を撮っていた時期。もっと大事に使ってくださいよ~!と思っていたら、同じような指摘の記事が貼り付けてありましたw

と、今作についてはスチル写真が衝撃的でした!なんと吉田輝雄女装写真がw 輝雄さんと寺島達夫さんの共演で二人はベビー用品の社員という設定。粉ミルクを宣伝するCMを作るのに寺島さんが赤ちゃんの扮装、輝雄さんがママの扮装ということのようで、割烹着にオバチャンパーマで微笑む吉田輝雄が写っておりましたw (デカそうな感じは否めないですが、以外と似合っていましたw)

 

「彼女に向かって突進せよ」(1963年公開)

寺島達夫、松原縁郎(このときには光二に改名)の元新東宝組で4代目の松竹三羽烏を結成?しての作品。松原さんいれるなら高宮さんか文太さん入れれば良かったのに、と思いつつ。ヒロインの鰐淵晴子さんをめぐって輝雄さん、寺島さん、松原さんが頑張ります(この3人の誰かが結ばれるというのではないので、誰がハートを射止めるか!?とかそういう話でもないようですwタイトルと違ってるw)。またもや鰐淵さんめちゃかわ!

東宝組ということでスクラップ記事も新東宝の頃からの仲間みたいな感じのお話が多く、輝雄さんとか新東宝の頃も主役だったけどお給料全然違う!みたいな話もwまた、この作品の役はラジオのDJで、まだ大阪弁が抜けないのにこんな役!なんていうボヤキもありましたw(ゴールドアイでもちょいちょい関西なまりが出てましたね)

そして「女体渦巻島」観たときも思ったんですが、松原さんも結構な長身でそこそこ男前なので、新東宝はなぜ寺島さん、高宮さん、文太さんにプラス松原さんと俳優デビュー済みの4人でハンサムタワーズにしなかったんだろうな?と。まぁ、そうしなかったお陰でめっちゃハンサムなサラリーマンがハンサムタワーズになってくれたわけですけど(〃∇〃)

 

「恋人よ」(1964年公開)

今回もっとも自分的に「めっちゃ観たい!!」とヒットしたのがこちら(๑'ᴗ'๑)倍賞千恵子さんとの共演作。藤原審爾さんの「結婚までを」という小説が原作。倍賞さんは小さな出版会社に勤める女性で5人家族の実質的な大黒柱。輝雄さんは町工場の工員という、決して裕福ではない二人が色々乗り越えて結婚を決意するまでのお話。輝雄さんの松竹での役は大体「今年の恋」だとか「古都」みたいな“いいとこのボンボン”みたいな設定か、新東宝から引き継いでるアクションものの作品の役が多く、ここまで図書館で観た作品のスチル写真などはいづれも大学出の身なりのきちんとした青年とか、アウトローな雰囲気の役か。。。という感じ。ですが、今作は町工場の工員という役で、スクラップブックに最初に載っていた取材記事のビジュアルは角刈りに下駄。おそらく輝雄さんの役としてはかなりレアなタイプかと思います。その記事では当時工場の多かった川崎駅を通過する路線に乗って、工員の方たちの観察をしたりして役作りをされたようです。そして、「今まではどの役をやっても吉田輝雄だったので」みたいな反省(?)があって、これから演技も頑張ってくぞ、的なコメントが載っていましたw(それがまた余計に観たくさせるwでも、この翌年、映画出演が2本だけなんですよねぇ。。。何でなんだろ)

と、地味に気になったのが、この作品のPRで「倍賞さんと輝雄さん初コンビ!」みたいな文章が結構ありまして。「踊りたい夜」や「泣いて笑った花嫁」ですでに結ばれてる役を演じているんですが、なぜなのか!?という。倍賞さんは下町舞台の映画に当時よく出られていたようで、一方、輝雄さんはメロドラマかアクションものかということでお互い出る作品のジャンルが違ってて。。。みたいな感じで煽られておりました。 この映画がヒットしたら新しく二人のコンビで映画撮ろうかな、とかあったのかなぁ。

 

というわけで、オタク(もう絶対目的がバレてる気がするσ(^_^;)がキャッキャッしながら読んだ資料のあれこれについて、印象的だったことを書き残し。まだまだ見れてない作品の資料もあるし、「永遠の人」についての疑問や65年たけなんで出演作があんなに少ないのかとか(映画は2本とテレビの愛染かつらだけ)色々と気になることも分かるかな、というわけでまだまだ図書館通いが続きそうです(๑'ᴗ'๑)