T’s Line blog-映画についての備忘録-

兼業主婦が仕事と子育ての合間に見た映画などについて、さらにその合間に綴るブログです。ブログタイトルのTは好きな俳優さんのお名前のイニシャルがことごとく「T」なため。LineはTのうちのお一人の主演作、新東宝「地帯シリーズ」から拝借しています。。

小野田嘉幹監督「女巌窟王」

ザッツ 大蔵新東宝 エンターテイメント! 

 

 

 

【映画についての備忘録その35】

小野田幹嘉監督× 三原葉子・万里昌代主演「女巌窟王」(1960年)

 

 九州の南にある港町のキャバレーで麻薬組織・岩原組の根城ー“ブルー・ムーン”。ここで踊るルミ(三原葉子)とエミ(万里昌代)は姉妹だった。ボスの岩原(江見俊太郎)はエミを、支配人の矢島はルミを、それぞれ力尽くで手込めにし、情婦にしていた。姉妹の兄である慎一は船員だったが、麻薬とは知らず岩原の仕事を手伝った。船は他の麻薬組織に襲われて麻薬を奪われ、激怒した岩原は慎一を地下牢に閉じこめる。ルミに好意を抱く組員・武志(高宮敬二)により慎一は地下牢を脱したが殺し屋の健(沖竜次)に見つかり殺害される。岩原はすべてを知って逃げ出そうとしたルミとエミも消そうと決める。

麻薬を奪った金竜組と孤島で対決し、金竜組を壊滅させる岩原。そしてその場に連れてきていたルミとエミにも銃口を向ける。二人をかばう武志とともに洞窟に逃げ込むが、岩が崩れ、武志は下敷きとなり、二人は閉じ込められてしまう。

幾日か洞窟の中をさまよい歩き、奥深く逃げこんだ二人は、数百年前の宝石箱を発見する。そして岩で岩を砕き、脱出に成功した二人は、偶然ヨットで沖を通りかかった青年・英次(吉田輝雄)に助けられる。二人は財宝と英次の助けを得て二階堂と改名し、岩原組への復讐を開始する。。。

 

 

小野田監督、新東宝という映画会社の存在を知る前から「鬼平犯科帳」とか小林桂樹版「仕掛人・藤枝梅安」でお名前を拝見していたのを覚えていて(小杉役の柴さんが観たくてDVDを買ったり)、その小野田監督の映画、まさか全然違う方向で面白い映画だったとは!という作品w

 

予約してたけどなかなか来なくてあきらめて忘れてたらDMM.comからやってきましたDVD。「大デュマの傑作に比肩する」(予告編でそう出てるのよ!YouTubeでも観られます)と謳われる本作。

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モンテ・クリスト伯」に比肩するかどうかについて論争が起こる余地もありませんでしたが。+゚(*ノ∀`)理想的な?大蔵貢時代の新東宝の1作に出会えたことに感動した(!?)映画でありました(゜∀゜)

 

出だしからセクシーな衣装で踊る三原葉子&万里昌代。キャバレーのダンサーだからね!いやー、でも妖しい音楽と、そして、下手ではないにしても上手いとも言いがたいダンス。+゚(*ノ∀`)ユルい!とってもユルい!二人はセクシーなんだけど洗練されたセクシーって感じでもなくてそこも良いw

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もう、映画全体としてはストーリーは適当感満載であってないようなものというか。+゚(*ノ∀`)アクションとエロをどう入れ込むか、みたいな映画でwそうだよね!こういうのだよね!大蔵新東宝

 

逃げ込んだ洞窟が崩れて閉じ込められる二人。

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何日も歩き、やっとの思いで洞窟の外に出る(この時、すんごい偶然に!!海賊が残したらしい宝箱を発見!も、どんな財宝が入ってるかは明かされぬまま。+゚(*ノ∀`))。が、そこは殆ど船も通らない孤島。なかなか助けがこない。。。そして、ノースリーブで膝丈のかわいいワンピースだったのに、洞窟の中を彷徨ううちにどんどん破け、最後は水着のようになり、結果、ややバカンス風味に。セクシーな二人。

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そして、やっと通った青年に助けられます。予告編の「名も知れぬ美青年」は正しい。82分の映画で70分がすぎようかというところでようやく彼の名が「英次」であることを我々(だれ?)は知らされます。

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「美青年」。ほんとハンサムヾ(o´∀`o)ノ

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九州の南から話が始まって、そこにいたはずの岩原組。ところが、復讐の舞台は横浜で、岩原もなぜか横浜に。健も一緒。支配人・矢島も一緒。もう、わけが分かりません。+゚(*ノ∀`)たぶん、そんなことはどうでもいいのだ、この映画は!セクシーに踊る三原葉子と万里昌代がすべてなのだ。

 

とはいえ、一応ね、こんな大きなスクリーンで見たら迫力ありそうなアクションシーンもあるよ!あと江見さんと沖さんの悪役も良かったよ!沖さんは「消されたライセンス」のデル・トロのようだったよ!

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吉田輝雄さんファンになってから、色々見たり調べたりしていて、新東宝末期のエログロ路線の大蔵時代、というのは知識としてはあった訳です。が、自分が観ていた作品は「セクシー地帯」とか「黄線地帯」「女王蜂と大学の竜」とか石井作品が殆ど。それらはどれもクオリティーが高くて普通に面白いし、他に観た「スター毒殺事件」とか「契約結婚」、「爆弾を抱く女怪盗」「男の世界だ」なんかもエロは控えめで、ちゃんと(!?)ストーリーで見せる映画になっていました。なので、「女巌窟王」を観て、ついにその意味を理解!それが分かって、輝雄さんが観れて、まぁ、いっかwという映画でありました。