T’s Line blog~映画についての備忘録~

兼業主婦が仕事と子育ての合間に見た映画などについて、さらにその合間に綴るブログです。ブログタイトルのTは好きな俳優さんのお名前のイニシャルがことごとく「T」なため。LineはTのうちのお一人の主演作、新東宝「地帯シリーズ」から拝借しています。。

並木鏡太郎監督「風雲七化け峠」

宝を巡る謎解きにワクワク。冒険活劇×時代劇が楽しい!

f:id:kinakokan0620:20180913143807j:plain

 

【映画についての備忘録その33】

並木鏡太郎監督×嵐寛寿郎主演「風雲七化け峠」(1952年)

 

故郷へ帰る旅の途中の男が飯屋で昼飯を食べ終わろうかという頃、隣に座っていた人相の悪い男が自分の荷物をもって飯屋を出ます。「待て!泥棒!」と追いかけているところへ、握り飯を食べて休憩中の浪人・嵐寛寿郎登場。助けてやったついで道中を一緒に旅することに。ところが途中泊まった宿で何者かが入ってきて、その男の荷物をまた奪おうとします。命と引き替えにしてその荷物を守った男。妹への土産だというのですが、これを何としても妹に届けてほしいとアラカンに頼みます。妹がいるのは七化け峠の山の中。妹(三原葉子)は弟と二人きりで、父の形見のわさび田を守っているらしい。元・武士の父親から仕込まれた武術で人を寄せ付けない姉と弟。兄の土産を持ってきたアラカンもそう易々とは信じず、吹矢で追い払います。土産は江戸前の海苔。その海苔を命がけで守った兄と、命がけで奪おうとする悪党。果たしてこの海苔にはどんな秘密があるのか?そしてアラカンは無事妹に土産を渡すことはできるのか…!?

 

・・・いつもはあらすじは役名を入れて書くのですが、一度観たきりの作品の役名を覚えられず(^◇^;)ググっても役目入りのリストが出てこないため(^_^;このようなあらすじとさせていただきますm(_ _)m

 

こちらもシネマヴェーラ渋谷の「玉石混淆!? 秘宝発掘! 新東宝のまだまだディープな世界」特集にて鑑賞。私には石井監督作品でお馴染みのアラカンさんと三原葉子さんの作品。しかも三原さんのデビュー作、ということで、三回目の「男の世界だ」の鑑賞のあと( ̄∇ ̄)続けて鑑賞です。

古い邦画を観るようになってから時代劇を観るのは初です!(「羅生門」を観ていますが、アレを時代劇としていいのかどうか、という気もするので(^_^;)どんなもんなかなー、と期待半分で観てみたら、面白い!!こちらも「玉石混淆」の玉のほうでした。

 

時代劇と言えば月曜8時のTBSみたいな勧善懲悪モノか大河ドラマか、みたいな人間には冒険活劇ストーリーや強いんだけどなんだか情けない主人公が新鮮(まさに初心者)で、これがとても面白い!時代劇も今の時代からしたらある意味ファンタジーなので、相性が良いのですかね。違和感なくすんなりと世界に入り込んで観ることができました。

 

で、まずは冒険活劇のストーリーのほうについて。この土産が何かありそうだなー、という予想通りの始まり。が、その土産がなんと江戸前の海苔!あれ?ただの海苔なの??という肩すかしからの、実はこの海苔に秘密があって・・・と一捻り。でもって、海苔を巡るアラカンさんと悪党の駆け引きも、「あー、こいつ悪い奴やろ!」と思っていた葉子姉さんの叔父が案の定悪党だったのですけど、ここにさらに第三の悪党が登場して、これがまた予想外の「え、えーっ!?」ってな人物で驚き。海苔が色んな人の手に渡ってしまうヤキモキする展開、なんで海苔をみんなで追いかけてるのか?って謎が解けてからの宝探し的なワクワク、そしてこの第三の悪党の予想外の登場と、次から次へとこちらの予想の上を行く筋立てで、時代劇は定型を楽しむもの、というイメージだった私を裏切りまくりますw

これに絡むアクションシーンも殺陣のシーンの型にやや時代を感じつつ(なんかヒーローものっぽい)も、特撮あり、スピード感あり、で楽しい。

馬で逃げる葉子姉さんの弟の少年剣士。それを追いかける悪党、さらにそれを後から追いかけるアラカンさんの三者をとらえるシーンは広い野や細い道など場面を変えながらスピード感をもって追っていき、アクションシーンとして楽しい。時代を感じたチャンバラもぴょんぴょん暴れまわるアラカンさんと少年剣士VS団体で襲ってきて銃も撃ってくる悪党。これをどう切り抜けるのか!?って対決で結局ハラハラドキドキさせられましたw

 

それから、登場人物について。アラカンさんは故郷の母に会うために田舎へ帰る途中の浪人さん。酒で仕官も失敗したから飲まないようにしているんだ!とか言いながら飲んじゃったり、土産を持っていったら葉子姉さんがおもむろに裸になって川の中に入ってしまうので慌てふためいたり、さっさと渡すもの渡して帰りたい感ありありだったり。剣の腕の立つ正義漢なんだけど、何か巻き込まれて困っちゃったなー、みたいな情けなさもあって、決して立派ではない人物像も、何とも楽しかったです。

そして、これがデビュー作だった三原葉子さん演じる武士の娘は、凜とした美しさと力強さを感じてとてもステキでした!守られるだけのか弱いお姫様じゃないんですね。そうそう、三原さんは「女王蜂と大学の竜」を観た時も思ったのですが、着物がよく似合っていてキレイです(デビュー作で早速脱いでる辺りはさすがw)。アラカンさんに恋する設定で、年齢的にどう見ても無理あるよなー、ということだけが(「女王蜂と大学の竜」では親子でしっくりきますしw)問題点でした(^_^;

 

 

ハリウッドみたいに金かけられなくても、「時代劇」っていう冒険活劇もいけちゃう娯楽コンテンツがあるわけか!と気づかされた「風雲七化け峠」。これをきっかけに古い時代劇も観てようと思うのでありました。