上村力監督「女弥次喜多 タッチ旅行」
なにも考えずに楽しもう!東北を旅するお気楽ミュージカル(!?)映画
【映画についての備忘録その30】
上村力監督×牧紀子・弘田三枝子・岩本多代主演「女弥次喜多 タッチ旅行」(1963年)
石油会社に勤める実子(牧紀子)、和子(弘田三枝子)、幸子(岩本多代)。彼女たちの会社では女性の職場環境の向上を求めて「お茶汲み反対!」と組合活動が盛んである。で、 男性社員たちを困らせようと組合幹部の女性たちが考えたのが彼女たち三人に長期休暇をとらせる!という案。休暇をもらって意気揚々と東北へ!しかし懐事情は寂しく…そこで彼女らが考え出したのが、知人の男性を訪ね、次から次へとリレー式に友人を紹介して貰って旅行代を節約しながら旅をしよう!という“タッチ旅行”。行く先々でいろんな男たちに遭遇するが…!
「古都」を撮ったり江利チエミさんとの共演作を撮ったりと、めちゃめちゃ忙しそうな1963年の輝雄さんですが、その中の1作を拝見させていただきました。きっと、パッと撮ってパッと次の作品の撮影に入ったに違いない、という感じのwコミカルでかるい役でございます(大事に使ってよ、松竹)。
女性が社会進出しようとする時代、旧態依然の男性達に対して「男なんてかわいい女の子なら何でも言うこと聞くのよ!」みたいな感じで(ここは今もこういうノリあるよねっていう。知らんけど)主演の3人が“タッチ旅行”していきます。
で、頼る伝手の先々で楽しく観光。この頃は映画が今の旅番組みたいな役割も果たしていたのかな!?って感じで、映画の中で観光地が出てくるのをよく見ますが、こちらは松島をフェリーで遊覧したり、男鹿半島をオープンカーでドライブしたりと東北の景勝地が沢山出てきたり、名物料理を食べたりと旅行ガイドを観ているよう(^^ )
映画は場面転換のとこでアニメーションが入ったり、振り付けが微妙にズレてる(あれはあえてだよね、きっとw)ゆるいダンスと音楽が挿入されてたり、それから、恐らく当時見てたら爆笑してたんだろうというパロディとかの小ネタがちょこちょこはさまれてとなーんも考えずに笑って楽しんで!って感じ。
私が気付けた小ネタは輝雄さんが「君の名は?」と和子に聞かれてたかと思うと名前が“津村春樹”で春樹は「君の名は」の主人公の名前だってこと、津村は輝雄さんが前年に主演した「愛染かつら」の津村浩三役からとってるよね?ってこととか、他にはギターを抱えてバイクで旅をしてて“ギターを抱いた渡り鳥だわ”なんて言われたり、和子が“およびでない”って言ってた!とか。んー、きっとこの時既に小学生くらいだったらほかにも色々見つけられたに違いないw
はい、で、旅行ガイドより吉田輝雄ということで本題!コミカルな役とは言え、そこはやはり吉田輝雄。そのかっこよさをカリカチュアしたようなハンサムな役でございました( ̄∇ ̄)ギターを抱いた渡り鳥は誰かと言えば、それはもちろん輝雄さんでしてw高原でギターを弾きながらキザな台詞(笑)御本家よりかっこいいに違いない(゜∀゜)映画観たことないのでビジュアル判断で圧勝(゜∀゜)
最初の出会いでは名も名乗らない(「もしも今一度会えたら、その時お互い初めて名乗りましょうよ。縁があるのですから」と言って去って行きますw)ミステリアスなwハンサムさん。なので、3人の妄想が爆発しますw
和子にとっては“裏の世界に身を置く一匹狼の危険な男”。
実子は“ロックフェラーか本田宗一郎かという大きな夢を抱く男”。
幸子は“影のある愛情に飢えた男”。胸毛もありますw
妄想にあわせて輝雄さんも衣装替えです( ̄∇ ̄)
最後は実は詐欺師というか、東京育ちの女の子から金を巻き上げようというお遊び、ということで、輝雄さんらしからぬ!?美味しいところをかっさらわない、津村春樹さんなのでありましたw
輝雄さん以外にも渥美清さん、三木のり平さん、由利徹さんと豪華な男優陣。弘田さんの歌も楽しめ(当時16歳のようですが、16歳でこの歌唱力ってホントすごい)、気楽に楽しめる1作でありました。