T’s Line blog~映画についての備忘録~

兼業主婦が仕事と子育ての合間に見た映画などについて、さらにその合間に綴るブログです。ブログタイトルのTは好きな俳優さんのお名前のイニシャルがことごとく「T」なため。LineはTのうちのお一人の主演作、新東宝「地帯シリーズ」から拝借しています。。

木下恵介監督「喜びも悲しみ幾年月」

題名通りのストーリー。こうありたいという夫婦の姿。

 

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【映画についての備忘録その15】

木下恵介監督×佐田啓二高峰秀子主演「喜びも悲しみも幾歳月」(1957年)

 

映画のストーリーの紹介は今回はあえてざっくり。

 

上海事変の起きた昭和7年灯台守・有沢四郎(佐田啓二)と妻・有沢きよ子(高峰秀子)は、新婚早々、四郎の勤務先の観音埼灯台で暮らし始め、その後転勤となった北海道の石狩灯台で雪野・光太郎の2人の子供が生まれます。

九州・五島列島の孤島に佇む女島灯台佐渡の弾崎灯台など日本各地の灯台に赴任し、赴任先で出会った若い職員野津(田村高廣)をはじめとする灯台員の仲間達との交流や、厳しい環境と過酷な仕事に苦労を重ねながらも、戦後まで灯台職員として生き抜いていく夫婦の姿を描いた物語です。

 

 

 U-nextの配信で観ました。2部構成で戦前~戦中~戦後の夫婦の年代記という構成。159分という長尺。一気に観る時間がとれないわ、途中でU-nextの配信がいったん終了しちゃうわ、とかで4回くらいにわけて1ヶ月くらいかけて観ました(^◇^;)とりあえず、全部観られて良かったw

 

映画の最初に流れてくるのは映画のタイトルと同名の、ちょっと勇ましいメロディーの曲。が、これ、映画は観たことないのに聞覚えのあった曲で、「この映画の曲なのか!」となんだか記憶の底から何か取り出してきたかのような気になりました。(だから何?って話だがσ(^_^;1986年にリメイクされているようなので、この時にメディアや街中で流れて聴いたのかも)

♪おいら 岬の 灯台守は~ で

始まる歌で(Youtubeとかで観られると思います)灯台守の日々を謳った歌。これが映画のなかでは灯台から灯台へ転勤する際などに流れ、灯台守の過酷さや使命感といった職業映画的な一面も感じさせます。

 

映画は1957年の公開。先に書いたように昭和7年(1932年)から始まって、終わりは1957年。重い時代的背景なのですが、殊更にそれを強調することはありません(悪化する戦況のなかで多くの灯台員の命が失われるた事や灯台が爆撃されそうな描写、赴任先で親しくなった名取夫人が機銃掃射でけがをするシーンなどもあるのですが、その悲惨さを強調するようなシーンになっていない)。公開当時この映画を観ていた人は有沢夫妻と同じように時代を生きてきた方達が中心だったかと思いますし、恐らく、そこに観客それぞれの戦争の記憶が補完されてそれで十分だったのかなぁ、と想像します。

で、現代の視点で観ると、補完される記憶がないので戦争故の苦労といったところはさらりと流れ。時代背景はあまり物語には作用してない気がしたので、それでも十分でしたが、時代背景もあいまってすごい泣ける映画なんじゃないかと見始めたのでその点は勝手に拍子抜けしてしまいましたσ(^_^;(最後には泣きましたがw)

 

それでも、(灯台守という仕事は特殊だし、もう日本にはないのですが)いつの時代にもあり得そうな、時には喧嘩をし、苦労もありながら、それらを経験して夫婦がお互いを信頼し絆を深め「喜びも悲しみも」二人で共有して歳を重ねていく物語としては見ごたえ十分。夫婦の世代ごとにめぐり来る出来事を、灯台周辺の厳しいけれど美しい自然や佐田啓二さんと高峰秀子さんの演技に引っ張られて最後まで観ることができました。

恐らくこれから自分が経験していくであろう「喜びも悲しみも幾年月」。子供が巣立ったあと、こういう夫婦になっていたいな、という夫婦の物語でした。

 

映画のストーリーとは関係ないとこの備忘録。

これを観て佐田さんはほんと絵に描いたような二枚目だ、と思いましたw「秋刀魚の味」が初めて佐田啓二さんを観た作品ですが、それよりも5年前の作品。木下監督は「今年の恋」の輝雄さんと茉莉子さんもそうですが、美男美女をほんとにカッコよく、キレイに撮るようです。先に二作観ている小津監督作品の佐田さんはわりと普通っぽくて、この作品で二枚目さんなのを確認できた感じです( ̄∇ ̄)

あと、田村高廣さんがめっちゃ若くてもやっぱり高廣さんだったー!ってのと仲谷昇さんと中村嘉葎雄さんが「誰これ?」レベルで別人だった驚きも付け加えておきます。