T’s Line blog-映画についての備忘録-

兼業主婦が仕事と子育ての合間に見た映画などについて、さらにその合間に綴るブログです。ブログタイトルのTは好きな俳優さんのお名前のイニシャルがことごとく「T」なため。LineはTのうちのお一人の主演作、新東宝「地帯シリーズ」から拝借しています。。

佐藤武監督「ママの新婚旅行」

心が温かくなる優しい映画。

 

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【映画についての備忘録その65】佐藤武監督×山田五十鈴主演「ママの新婚旅行」(1954年)

 

朝倉隆三(山村聡)と絹子(山田五十鈴)の夫婦には洋子(長谷川裕見子)、俊次(和田孝)、圭子(小沢路子)、敏夫(小池保)の4人の子供がいる。洋子はすでに工場勤務の夫と結婚して独立している。隆三は研究に没頭して金のことは気にせず、家計はいつも苦しい。そんな家庭に船のコックをしていた兄の鉄之助(藤原釜足)が失業して転がりこみ、毎日のやりくりはさらに厳しくなるのだった。

長男の俊次は家計を助けるため裕福な酒屋金山家の娘・マリ子の家庭教師のアルバイトをし、次女の圭子も家にお金がないからと、修学旅行には行かないという。子供たちは絹子に負担をかけまいと贅沢を言わず、家族は慎ましやかに暮らしている。

そんな折、俊次はマリ子の姉の三枝子と恋に落ちる。三枝子を家に呼び、クラシックのコンサートに出かけ、彼女の日本舞踊の発表会を観に出かける。幸せに過ごす二人だが、発表会の日、三枝子の友達が兄(江見俊太郎)を連れて三枝子の踊りのお祝いに訪ねてきた。元華族学習院卒だという兄を三枝子の両親はいたく気に入り、二人の結婚に乗り気だ。その様子を見て、俊次は貧しい我が身との身分差を思い、家庭教師をやめ、三枝子に別れを告げるのだが―。

 

昨年のこの時期も行っておりましたシネマヴェーラ渋谷の新東宝特集。昨年は「男の世界だ」と「大虐殺」を観るために4日間くらい通いましたが、今回は夏休みやら仕事の都合やらで行けたのは1日だけ。作品よりも行ける日を基準に行ってきたのですが、そんな計画でも素敵な作品に出会えるもので。今回はこの作品と「暴力五人娘」(これもあとで感想書くつもり)という、両極端な新東宝作品を連続で観てきてどちらも楽しんできました。

 

「ママの新婚旅行」は家族愛を描いた良作。小津作品を観た後の温かい気持ちに似たものを感じる作品でした。

 

絹子さんは本当に素敵なお母さん。子供達のことを信頼し、尊重、優しく見守りながら大事なとこで手をさしのべます。

修学旅行に行かないと明るく言う圭子の本心を察し、自分の帯留めを質屋に入れ、お金を工面し、鞄とコートをプレゼントして修学旅行へ送り出します。その喜びで絹子にひっしと抱きつく圭子のシーンはとても印象的で心温まります。

また、あるとき、家庭教師をしているはずの俊次が、日本橋(かな?)の橋の上で他の学生たちと一緒にサンドイッチマンのようなことをしているところを見かけます。家に帰ってきて妹や弟の前で気丈にふるまい、自分の部屋に戻ったところをそっと追いかけ、俊次が三枝子と別れ家庭教師をやめたことを知ります。しかし、それでも俊次の決めたことを尊重し、彼を信頼し、問い詰めたり怒ったりすることもしません。

 

隆三は研究に没頭し、お金の苦労をかけてしまっていますが(家計が厳しいのに義兄の居候を許してしまうような人でw)、絹子を中心に朝倉家はまとまっている感じ。その隆三に洋子の夫の会社の月給7万円という工場長の話が持ち上がります。洋子は今頃会社の人達がお父さんに話しをしているはず、と絹子や弟妹、鉄之介に話をしにやってきます。みんなが隆三は工場長の話を引き受けるだろうと期待して帰宅を待ちます。

しかし、隆三は自分には工場長など向いていないからと断って帰ってきます。俊次はそれを隆三のエゴであると責め、三枝子とのこと、修学旅行をあきらめようとした圭子のこと、そして母が結婚以来、よそ行きの着物を買ったことがないこと、隆三の生き方で自分たちがどういう思いをしているのか、とぶちまけ喧嘩をして家を飛び出します。

 

その後、隆三は疲労もあって肺炎で倒れて入院します。俊次のことを気にかける隆三に、絹子は居場所が分かったと嘘をついて、隆三の看病を兄に託して探し出し、家につれて帰ります。そして、やはりこのときも俊次を責めずに彼の気持ちを聞き、一方で隆三の気持ちや結婚してから二人がどんな生き方をしてきたか、それを隆三とともに子供たちに話し、それをきっかけに家族はまた絹子を中心に一つにまとまります。

 

タイトルの新婚旅行というのは結婚して新婚旅行にも行っていなかった二人への子供たちからの贈り物。バイト代や貯金を少しずつ出し合って、隆三と絹子に旅行をプレゼントします。見送りには俊次と一緒に三枝子も。最後まで家族が互いを思いやる温かさを感じる優しい映画。

 

絹子さんじゃなかったら、こうはいかないよな、っていうまさに良妻賢母。良妻のほうはさておきwこんなママになれるといいなと思う、そんな素敵なママ。唯一行けた日にこの作品を観られたという幸運に感謝するのでありました。

 

忘れないように最後に付け足し。鉄之介のひよこの商売が失敗するというエピソードはこの映画のなかの変化球で笑いましたが、この鉄之介と一番下の敏夫のやりとりも微笑ましくて良かったですw

番匠義彰監督「抱かれた花嫁」

花嫁シリーズ第1弾は大人の恋が印象的。

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【映画についての備忘録その64】

 番匠義彰監督×有馬稲子高橋貞二主演「抱かれた花嫁」(1957年)

 

 

浅草の老舗寿司屋の娘・和子(有馬稲子)。兄(大木実)と弟(田浦正巳)がいるのだが、二人は寿司屋を継ぐのを嫌い、兄は劇場の座付作家、弟は外交官を目指すという。母のふさ(望月優子)は男勝りで、戦後一人で店を大きくし、その店を看板娘でもある和子に継がせるため、浅草の老舗袋物屋の三男坊、秀人(永井達郎)を養子に迎えようとする。

和子には店の客で動物園の獣医師の福田(高橋貞二)という恋人がいる。ところが、福田は、ふさの気性に自分が気に入られるはずがない、寿司屋もできない、となかなかプロポーズの踏ん切りがつかない。さらには友人の大村(片山明彦)と一緒に暮らす下宿先のアパートの隣家に住むニュー・フェイスの富岡千賀子(高千穂ひづる)も福田のことが好きだという。

いつまでたってもはっきりしない福田。そうこうしているうちに秀人が店の手伝いにやってくるという。和子は、彼をふさに認めさせるため、福田を店の手伝いに入らせることにするのだが。。。

 

 

9月は映画を観ていなくて(輝雄さんゲスト回の「ターゲットメン」11話の放送に向けて予習で「ターゲットメン」の各話を観ていたためw)、久々の映画鑑賞はラピュタ阿佐ヶ谷。「今年の恋」を去年の1月に観に行って以来のラピュタ阿佐ヶ谷は、今回もラブコメ。特集名もずばり、「ラブコメ大好き!」。

4月に輝雄さん主演の「泣いて笑った花嫁」を大いに楽しんだ身としては気になる、“花嫁シリーズ”の第一作というわけです。この日は「危険旅行」と“旅行シリーズ”の第一作の上映もあって(こちらも輝雄さん主演作「求人旅行」―こっちはまだ観れてないけど―があとに連なるし)、このラブコメ特集、私もラブコメ大好きなので(まんま)、三回券買って参戦(あと、「泣いて笑った花嫁」と「今年の恋」を観に行くんだ!)してきました٩(๑❛ᴗ❛๑)۶

 

「泣いて笑った花嫁」についてはこちら

kinakossu.hateblo.jp

 

 

私、有馬稲子さんも高橋貞二さんもこの日が初鑑賞(有馬稲子さんは「やすらぎの郷」で初めてお名前と顔が一致したような次第)。同じ日の2つ前の上映で同じコンビの「危険旅行」も観て、二人の魅力が詰まっているのはこっちかな、という印象。有馬さんの勝ち気な下町娘はかわいく、高橋貞二さんのちと頼りない獣医も大事なところはキチッと決める(でも、ちょっと抜けてるw)、いい男。恋のライバルの高千穂ひづるさんも綺麗だったけど、有馬さんのオーラと存在感がスゴすぎて、ライバルというには物足りないくらい^^;

 

と、書いておりますが、映画そのものの印象は、この二人の恋の話よりもふさのほうに持って行かれた感じ(笑)私が「稲妻」鑑賞以来、望月優子さん気になりすぎなせいか!?

 

ふさは和子には家業を継ぐよう、昔ながらの結婚をすすめるのですが、自分も若い頃は浅草の劇場でオペラ歌手として活躍していた古島(日守新一)と情熱的な恋をした身。でも、家業のために恋をあきらめ、三人の子供を生み、育てます。そしていよいよ和子の縁談を、というおり、ストリップ劇場のポスターに古島の名前をみつけます。

一人劇場に足を運び、そこで、昔と変わらぬ古島の歌声を聞き、再会を果たすふたり。互いの決して思い通りにはいかなかった人生の重みと、過去の思い出として割り切れないような切ない思いが交わります。そして、昔なじみの店でのデート。古島の歌うレコードをかける、二人の過去を知るマスター。それにあわせて踊るふさと古島の姿は、心の奥底にしまってある思いをにじませ、とてもステキでした。

 

なんかコメディらしからぬ感想ですがw それもそのはずで、桂小金治さんは今作もしっかり笑いを提供してくれるし、永井達郎さんのちょっとなよっとした坊ちゃんも面白かったけど、全体的には先に観ていた「泣いて笑った花嫁」より、笑いは控えめ(「泣いて笑った花嫁」は桂小金治さん以外にも藤山寛美さんとか、コメディアンの方盛りだくさんでしたし)。ラブコメの「花嫁シリーズ」第一弾はコミカルなシーンよりもしっとりした大人の恋が切なく、印象的。「泣いて笑った花嫁」しかりだけど、番匠監督、ほんとはサブストーリーであるはずの大人の恋を描きたいのかな!?と思ったり。

 

 終盤、店が火事にあったり、三人の子供達それぞれとケンカしたり、和子と千賀子の福田を巡るあれやこれやと色んなこと起こるんですが、望月優子さんが全部もってっちゃうんだ!たかだか二作しか観てないけど、ステキな女優さんだなぁ、とやっぱり思った次第。

 

弟の恋人が朝丘雪路さんで松竹歌劇団のダンサーでキャピキャピだったり、松竹の大木実さんを初めて観たけど、10年後(「決着」)も姿は変わってないなぁ、とか思ったり(笑)と、主演の二人を差し置いて他のキャストが気になって仕方なかった本作。最後に福田が家出した和子を迎えに行くシーンはとってもかわいくて良かったけど、先に観た「危険旅行」とあわせて、このコンビの良さが分かるには、もっとお二人の作品を観てみないとかな、と思った鑑賞後なのでした。

 

小林恒夫監督「怪談片目の男」

ホラーっていうよりサスペンス。

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【映画についての備忘録その63】

小林恒夫監督×西村晃主演「怪談片目の男」(1965年)

 

恩田産業社長恩田晃一郎(西村晃)が、片目がつぶれた無惨な水死体となってあがった。原因は夜釣の舟が転覆したための事故死だという。葬儀の後、宇野と呼ぶ見ず知らずの弁護士からの呼び出し状を持って別荘に関係者が集められる。晃一郎の妻・美千子(中原早苗)、晃一郎の支援をうけてプロのカメラマンとなるが、美千子と関係をもっている下田宏(川津祐介)、恩田産業の専務で会社乗っとりを企んでいる大西重雄は秘書を伴って。さらには恩田の義弟で、晃一郎を検死した主治医の深沢哲夫。かつて、晃一郎の車にはねられ、半身不随となり、晃一郎が面倒を見ていたという園雪子。それに「パパに会いにきた」という幼ない女の子・陽子。

だがその夜から恩田邸では怪事件が勃発し始める。晃一郎のコレクションのバイオリンの音色が邸内に聞えたり、雪子はバスルームで晃一郎を見たといい、葬儀の参列者を撮った下田の写真には晃一郎の姿が写っている。不思議な事件は続き、晃一郎の亡霊につりつかれたように、関係者が次々と命を落としていくのだが…。

 

 

夏も終わるけど、感想は怪談続きw東映チャンネルで鑑賞しました。「怪談せむし男」を録画するのに番組表観てたら「怪談片目の男」というのがあって、これも西村晃さんだし面白そう!と思って録画。「怪談せむし男」と「怪談片目の男」は当時一ヶ月違いの上映だったよう。今回も、ホラー映画ですので、ネタバレは極力さけた備忘録とします。

 

 

今回はこの流れで佐藤肇監督かと思いきや!小林恒夫監督(音楽は菊池俊輔さんじゃなくて木下忠司さん)。今のところ、小林監督の映画はまだ拝見したことがないのですが(輝雄さんご出演の「陸軍諜報33」の監督をされているのでこれもいつか観れますように!)、テレビドラマ「ゴールドアイ」の第10話の監督をされていて、このお話は出入りする登場人物も整理されていて、タイムリミットのある中で「ゴールドアイ」のメンバーがトリックを仕掛けていく、というスリルのある展開を楽しめる作品になっています(あと、白バイ警官に扮装しているめちゃめちゃかっこいい吉岡さんが拝めます(っ´ω`c))。で、この「怪談片目の男」もそんな感じ。沢山の登場人物をさばき、それぞれの関係性に重点があり、ホラー映画というよりは、スリラーとかサスペンス映画といった感じで、怪談らしい怖さはあまりありません^^; Wikipedia見ると、小林恒夫監督はそういうジャンルを得意とする監督さんだったようですし、なるほどね、なのです。

 

 

登場人物の大半は後ろ暗いところがあって、晃一郎の死に思い当たる節がある。美千子と宏、大西専務と秘書。それぞれに財産を手にしようと晃一郎を裏切っていて、特に若さと男前っぷりで金持ちの年上の女性を落としたっぽい宏と、美貌を利用して晃一郎の金が目当てで結婚したような美千子の二人が中心に物語が展開するので、二時間サスペンスのような趣。晃一郎の、周囲の恵まれなさに同情したい気分になります。そんな中で心が洗われるのが足の不自由な雪子の存在なのですが。。。と、ネタばれになりそうなので、お話についてはここまでw 終盤に明かされる意外な設定と怒涛の展開は楽しんだのですが、そこもやはりホラー映画的な要素とは関係なくて、サスペンス映画って感じ(2回目)。あらすじ部分で書いたようにホラー映画の仕掛けがところどころ入ってきますが、映画の結末までみると(「吸血鬼ゴケミドロ」的にスルーするにはひっかかりすぎなw)「何でそうなったの?」みたいな場面も結構あってσ(^_^;「ま、その場面単品では楽しめたから、いっかw」っていうタイプの(どんなタイプよ!?)ホラー映画でした。

 

 

というわけで、表題。今回は主演の西村晃さんが最初に死体で登場して以降、なかなか出番がなくて、出てきても、亡霊のような登場の仕方がほとんどで(笑)、西村晃さんの怪優的な魅力を堪能できたのは映画の後半。中盤まではほとんどはその周囲の人間たちの群像劇、といった感じで、怨霊じゃなくて人間の欲が怖いよねぇっていう映画で、やっぱりホラー映画じゃなくて、サスペンス映画(しつこい)。

 

しかし、出番は少なくてもやっぱり存在感は抜群だった西村晃さん。最初と最後のモノローグもとても印象的で、色々つっこみたい部分も、西村晃さんの締めのモノローグでなんだか丸め込まれてw収められてしまったような、そんな鑑賞後なのでした。

佐藤肇監督「怪談せむし男」

怪談より怪優。

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【映画についての備忘録その62】

佐藤肇監督×西村晃主演「怪談せむし男」(1965年)

 

宗方信一はある会社を経営していたが、死の数か月前、精神的な異常をきたし、父親の圭介(加藤武)が院長を務める精神病院へ入院した。その臨終の際、妻の芳江(楠侑子)は自宅で、彼女に何か伝えようとする信一の夢を見る。その後、病院へと向かった芳江は、圭介の助手の山下(江原真二郎)もまた、死の間際に信一は何か伝えようとしていた、と言うが、圭介は脳髄が破壊されていた信一にそんなことが起こるべくもない、と取り合おうとはしなかった。

芳江のもとに信一の会社の弁護士を務めていた磯部(加藤和夫)が訪ねてくる。彼は信一の会社は潰れ財産はほぼすべて抵当に入ったが、唯一、精神に異常をきたす直前に信一が購入した別荘だけが残ったことを告げ、彼女にその鍵を渡す。

芳江はその別荘に信一の病の原因があるとみて、別荘へと向かう。そこには一人、別荘の管理をしているらしい、気味の悪いせむし男(西村晃)がいた。その晩、寝室で信一の陰惨なふくみ笑いと、女の悲鳴を聞き、恐怖におびえる芳江。その翌日、圭介と山下、姪の和子(葉山葉子)が芳江を心配してこの別荘へと訪れるのだが…。

 

 

 

佐藤肇監督3作品目!こちらもオススメをいただいたのをきっかけに、東映チャンネルで鑑賞。ホラー映画なんで、今回も、「観ようと思って検索したらこのページがひっかかって読んだらネタバレじゃんorz」みたいなことがおこならないように詳しく内容は書かずにおきますw

 

さてさて、三作見てくると佐藤肇監督のお馴染みさんというのがだんだん分かってきて「吸血鬼ゴケミドロ」と「散歩する霊柩車」とのスタッフや俳優さんの共通点なんかも見えてきます(・∀・)音楽はやはり菊池俊輔さんで、これまた、ホラー映画っぽい、おどろおどろしい感じ。始まりは月夜の中の洋館、悲鳴をあげて目覚める芳江(こちらは「ゴケミドロ」の楠さんで、訳ありげな雰囲気w)、別荘は東欧あたりの古城ですか?みたいな洋館で、ドラキュラでも出てきそうな雰囲気と、舞台装置はバッチリ。

信一の亡骸が入れられた棺桶からガタッと音がして、開けたら口に白い花をくわえていたりとか、別荘につけば、中にカラスが突然侵入して芳江を襲いそうになったり、扉が突如バタバタとスゴい音を立てて開いたり閉まったりを繰り返したかと思うと、今度はどうやっても開かなかったり、とか、“怨霊”の存在を感じさせるホラー映画の定番のような煽りが次々やってきて、遊園地のお化け屋敷のよう。

 

とはいえ、電気ついた部屋でまっ昼間に観ちゃったのとそしていい大人なので(笑)、それらについては「おお、きたきた!」みたいな楽しみ方をしたわけなのですがw、それは置いておいて、この映画の見所はもう、西村晃さん(と霊媒師役の鈴木光枝さん!)につきるのでありました。

 

西村晃さんのせむし男は見るからに怪しくて異質。芳江たちが彼を忌避するような振る舞いをしてしまうのもやむをえないように見えます。だから、彼に自然に接している和子の特別に“選ばれた”ような感覚や、それ故にせむし男が和子にだけは彼の抱えているものの重み、その心の中に少し立ち入らせそうになることもまた、当然のように思えてきます。

西村晃さんは一人二役で、もう一つの役はせむし男のお兄さん、富永男爵。回想シーンに登場します。戦時中までこの館の持ち主だった男。で、せむし男はみすぼらしい身なりなのですが、回想の中のお兄さんは男爵なので、ザ・貴族な服装。んで、男爵のときは、それを見事に着こなして、まさに貴族の品の良さを感じます。

怨みの感情に飲み込まれた兄と、その兄の呪縛から逃れられない弟の、見た目とは反した兄を思う純粋さを演じて見せる怪優。兄弟の関係性はストーリーとしては詳しく描かれていませんが、そこはとりあえず横に置いておいて(2回目)、西村晃さんの演技で補完して、何だか納得できるのであります。

 

んで、霊媒師の鈴木光枝さんの迫力。これはもう、言葉で説明するより観てください!って感じ。。お化け屋敷のように楽しんでいた映画のなかで、本気で怖さを感じたのが、鈴木光枝さんの霊媒師が霊を自分におろたときの変貌ぶり。別荘の近くをたまたま通りかかった霊媒師は、この屋敷に何かを感じて訪ねてきます。彼女なら信一になにが起きたのかがわかるはず、と降霊させると…柔和なの面影は完全になくなって、迫真の演技。中年男性のような声と振る舞い、そして、暴力性。んー、やっぱり文章にするのは難しいので、観てみて下さい!もう、ほんと怖いから!鈴木光枝さんは今作で初めて拝見した女優さんだったのですが、Wikiみたら新劇界の重鎮で、「新劇界の三大婆さん(役)女優」とか呼ばれていらしたのですね(笑)

 

はい、というわけで怪談のストーリー自体はなんだかちょっと「これは結局なに?」みたいなとこもあったんですが、それは横に置いておいて(3回目)ストーリーよりも怪優の演技が楽しかった本作。どうしてこの人が晩年、水戸黄門になるんだろう(「散歩する霊柩車」から2回目)。

 

そうそう、ググったりしてでてくる映画のデータベース、本作の紹介文やキャストが少し違っています。圭介役は実際には加藤武さんだったんですが、データベースでは北村和夫さん。加藤さんは私が小さいころにドラマでみていた役のイメージに近くて、加藤さんってこういうキャラでずっと来てたのかな、なんて思った次第。

 

 

 

渋谷実監督「気違い部落」

“気違い”のようで、どこにでも潜んでいる“普通の”物語。

 

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【映画についての備忘録その61】

渋谷実監督×伊藤雄之助主演「気違い部落」(1957年)

 

この国のとある場所にある小さな村―“気違い部落”。
貧乏な小さな村で色と欲をむき出しにした農民生活が“気違い沙汰”にみえるのでこう呼んでいる。
村は機屋の社長である良介(山形勲)を親方としていて、この男を中心に集落は統一されている。親方の権力は絶対で、集落の掟は国の法律より優先することさえあった。しかし、頑固者の鉄次(伊藤雄之助)は、博打に熱をあげ、工員の若い女性たちに次々手を出すような良介を親方とするのを良しとしない。鉄とその女房のお秋(淡島千景)は簡単には親方の指示に従わず、しばしば反目しあっていた。

一方、二人の娘であるお光(水野久美)と良介の息子である次郎(石浜朗)は恋仲で、村を嫌って東京へ出た次郎も、お光に会うために時折村へと帰ってくるのだった。

そんなある日、村に割りあてられた税金の支払いをめぐって、良介と鉄が大ゲンカとなり、これをきっかけに鉄の家族は村八分にあう。さらに悪いことに光が肺病となってしまう。一向に良くならない光を心配した次郎。村の駐在(伴淳三郎)に光のことを頼み、駐在は鉄に特効薬を安く世話してやる。この薬が効いて光はみるみるうちに元気になっていくのだったが…。

 

 

シネマヴェーラ渋谷の「名脇役列伝IV 伊藤雄之助生誕百年記念 怪優対決 伊藤雄之助vs西村晃」にて鑑賞。午後休取って行ってきました(仕事より映画w)。初・渋谷実監督ですが、監督より何より、まぁ、この特集のタイトルとそして特集の中でも強烈なこの映画タイトルが気になって行ってきちゃったわけですw

 

午後休でタイトなスケジュールで(笑)5分くらい前に着く予定だったので、朝、仕事の前におにぎりとパンを調達しておき、着いたら速攻で食べて鑑賞開始!これで万全!は乗ったバスの系統を間違えてしまうというポカで計画倒れ(^◇^;)最初の3分ほどが過ぎてから到着し、劇場の中に入っても暗い中を空いてる席を探して恐る恐る移動したのでσ(^_^;落ち着いて観られたのは5分は過ぎたくらいだったでしょうかorz小さく屈んで移動はしたものの、鑑賞の邪魔になってしまった方もいらしたと思いますので、大変申し訳ありません(>_<)

席に着いたら着いたでビニール袋ガサガサやるわけにはいかないし、と、空腹を抱えたまま鑑賞(笑)しかも、これ、旧作なのに2時間越え(タイトルだけしか情報入れてなかったので、すぐ終わるだろうと思ったら長いの!!)!と、まぁ、てんやわんやで鑑賞したんですが、映画そのものは、腹ペコだとかそういうこと忘れるくらい(ここを言うための長い前置きw)に面白く、タイトルの奇抜さに負けない、いろんな意味で楽しめる映画でした。

ひたすら笑い通しの前半と、シリアスに家族愛とか土地への愛というか、鉄に視点をあわせたドラマ部分とがうまく話が流れて、そして、こちらもその突然の変化にしらけるでもなく、真剣に見入っていました。

 

前半はまずもって、構成が面白くて、村の人たちの生活を森繫久彌さんのナレーションで、まるでドキュメンタリーのように(で、これがすごく笑うんですけど)紹介していきます。貧しいゆえの強欲ぶり、くだらない井戸端会議の内容、まぁ、とにかく笑えます。

野良犬が迷い込むと貴重なタンパク源!と食糧にしてしまうらしいのですが(笑)薬きょうを餌のようにまいておびき寄せw近づいたところをいざ!と思ったら後ろで見ていたほかの村人が殴り殺してもっていっちゃう。しかも、そのただで手に入れた犬の肉を市場より高値で売り渡す(笑)(昔は貧しいところはほんとに犬とか食べてたんだろうか!?)犬の肉の臭みを取る方法についのナレーションによる解説付きw

保険の勧誘員に「奥様」と呼ばれていい気になった良介の女房(どう見ても”奥様”って風情じゃないわけですが😂)が、工場で働く女の子たちに”奥様”と呼ぶように強要したり。

賭博が唯一の娯楽なので、面倒くさいことにならないように村の駐在さんを味方にしようと酒やバイクで手懐けたり(この駐在さん、初登場の場面でのナレーションが「おや、バンジュンに似てますね」とか入っててこれにもクスリw)。

と、ここに書き出したのは少しだけで、森繁さんの淡々とした、でもどこかコミカルなナレーションとセットでほんとにずーっと笑っていました。

 

ところが後半、光が肺病に倒れたあたりから、雰囲気が変わってきて、シリアスなドラマに。

 

鉄と良介の対立が悪化して大喧嘩。鉄の家は村八分に。そして、そんな状況で光が肺病になり、そのことを村の人間に知られないようにと、鉄は医者に見せることをためらい(光が動けないので医者を家に呼ぶことになるため)、そのかわり、肺病に聞くという鶯を手に入れようと必死に森を探し回ります。このシーンは、鉄の娘を思う愛情を感じる反面、村人への面子みたいなものが優先してしまう。村社会というよりも日本的と言ったほうがいいのかな、もう、今では古い考え(とは言え、こういう古いものに煩わされてる人もまだ多くいるとは思うのですが)に思えるけれど、確実に存在していた、他人の目からどう見えるのかを極度に気にするというあり方。そういった古いものとの訣別をする存在として、良介の息子・次郎がいるわけですが、次郎の先進さ(今なら普通の感覚だけど)も、因習というか、昔から続く何かの強固さのまえではなかなかその壁を破ることができない。

 

光は駐在さんが安く手配してくれた特効薬(注射)で一時、劇的に良くなっていきます。しかし、それも束の間、“自分の責任だ”と鉄が激しく自身を責める行為により命を落とすことになります。娘を自分のせいで亡くしてしまったこと、村八分で弔いの手伝いもないこと(村八分でも葬式の手伝いはする、というのが普通)。それらをぐっと耐えたけれど、怒りが爆発し、猟銃を手にして良介を殺しに行くと言う鉄を妻と息子が泣きながら、必死で止める場面。鉄のやらかしたことに、それを責めるのではなく、「百姓ってものを分からずに安く売ってしまった俺が悪いんだ」という駐在さん。

 

この後半は悲しいとか泣けるとかではなくて、痛いとかツライという表現があいます。なぜそう感じたのか、自分の中でまだ答えは出ないのですが、”備忘録”として自分のなかで大事なこととして書き残しておきたいと思います。

 

そして、最後、鉄が出す結論にいたって、この映画を通して感じていたことは、鉄の台詞を通して、それが明確に答えとして提示されます。部落(村)の閉鎖的な部分を笑いつつ、この話は日本であればどこにでもある、日本的なものなのだぞ、ということ。そして、それは映画にきちんと表現されていて、都会の人が田舎をさげすみながら作った上から目線の物語という感じはありませんでした。

この感覚、都会で生まれ育った人には伝わりにくいかもしれませんが、物語として取り上げたり、あるいはマスメディアやSNSにあふれる情報の中でも、地方を切り捨てたり下に見るような風潮を地方出身の私は感じることがあります(一票の格差と合区の問題のニュースにおける温度差とか)。あるいはここで感想を書いた「100万人の娘たち」でも、東京の人が地方を古い習慣にとらわれる場所として描いている感じがありました。おそらく、これは今に始まったことではなくて、昔からある感覚でしょう。しかし、この映画は、こんな強烈なタイトルなのに、そういうものを感じることはなく、それはつまり、日本のどこか、ではなくてどこにでもある物語として、その映画の視点がしっかりとおかれ、表現されていた、ということだったのだと思います。

 

と、いうわけで、何だか書きたいことが多くて、とっちらかった備忘録となりましたがσ(^_^;タイトなスケジュールでも観に行ってきた甲斐があった映画。 

伊藤雄之助さんは今回初めてそのお名前を知った俳優さんでしたが、強烈なインパクト(映画のあとに「何かで観たことがあるなぁ」と思い返していたらNHKアーカイブスでドラマ「新・坊ちゃん」を観ていた時にマドンナの父親の地元の有力者を演じていて、こちらも存在感たっぷりでした)。淡島千景さんも水野久美さんもモンペ姿でもめちゃめちゃ美しいし(淡島千景さんなんてキレイ過ぎて、“ほんとは良家の子女なんだけど鉄に惚れて駆け落ちした”とかいう設定になってるんじゃないかとか思ってしまうほどでした(笑))、石浜朗さんはさわやか好青年。「伊勢佐木町ブルース」ではウーンッ(´-ω-`)となってしまったバンジュンさんでしたが、今作では笑いの前半部分とシリアスな後半部分とをしっかりとつなぐ、まさに名コメディアンであったことを感じましたし、個性が光る俳優さんたちにしっかりと楽しませてもらいました。そして喜劇映画が得意だったという渋谷監督の作品を観ることができて、そして大いに笑い、心動かされ、この監督が小津監督の「大根と人参」をどんな風に作品にしたのかにも興味がわいたり。と、また新しい旧作邦画の魅力を見せてもらったなぁ、と感じ、旧作邦画を観る上であらたな楽しみをえることができた次第。

 

タイトルのせいでソフト化やテレビ放送が難しいとか言われているそうですが、そういうことのせいで鑑賞しづらい作品になってしまうのは勿体ないなぁ・・・と思うのでした。

平成が終わる頃に出会った昭和のハンサムが令和でもかっこよかった件。

 

今回は映画の備忘録でも図書館の備忘録でもなく、ブログを書き始めたら我が身におきたスペシャルな出来事についてのお話。

 

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で、まずはスペシャルなことが起こるまでの、ハンサムさんへのハマりっぷりを時系列で(!?)振り返ってみます(誰得)

 

平成29年12月「ゴールドアイ」(昭和45年作品)の第1回を東映チャンネルで視聴。

これがブログを書き始めるきっかけ。この作品の存在は、シルバー仮面になる前の柴田くん=柴俊夫さんがテレビドラマ初出演した作品として以前から認識していて、その作品、ようはデビューしたての柴さんが見られる!ということを楽しみに第1話の放送を見ました。これ、どれくらい楽しみにしていたかというと、横浜の放送ライブラリーとかさいたまや渋谷のNHKアーカイブスなどに、過去の出演作を見に行ったりしたくらい好きな俳優さん。つまり、念願の作品が観られると思って大興奮。

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というわけで、柴田くんが見れることをめちゃめちゃ楽しみに鑑賞した第一話と第二話。録画してたビデオを見終った後の2017年12月10日のツイートは・・・

 

録画してたゴールドアイの一話と二話見終わる。1970年の作品ってことで、「戦中派のセンチメンタリズムですか!」とか若者側が言っちゃうというこの空気感。ドラマ自体はアクションもスピード感あって普通に面白い!

 

民間の特務機関?って設定はかなりファンタジーな感じがあるけど、ボスが元兵士の諜報員とかいう設定が可能な時代なので、なんだかそんな組織がありそうな感じがしてしまうw

 

 

柴さんは若くてかわいい好青年だし、高松さんは頼れる中堅って感じだし(リアルタイムではおじいちゃんの記憶)。あと、今回初めて拝見した吉田輝雄さんって役者さんがかなりイケメンである。ウィキ調べたら映画全盛期に活躍されてた俳優さんなのね。テレビは脇が多かったとかで、そら、知らんはずだ。

 

 

ハンサムタワーズ、さもありなんって感じの格好良さ。

 

はい、冷静にツイートしているようですがw柴さん目当てだったのに、初めて見た時から「誰なの、このかっこいい人!」になっていて、柴田くんの出番の少なさに凹むでもなくw速攻で調べて「ハンサムタワーズ」に行き着いています( ̄∇ ̄) この記事のTOP画像は第一話の吉岡さん初登場シーン。富士スピードウェイで車を走らせていたら(吉岡さんの表の職業はレーサーなのかな。もっとこの番組が続いていたらその辺りも掘り下げられていたことでしょう)、ボスから呼び出しの電話がかかってしまったところ。吉岡さんは最初からボスの呼び出しに文句を言っていて、007のよう(007大好き)。そんなスマートなキャラクターが似合っていて、こんな俳優さんがいたのか!っていう驚きの瞬間、私にこの超イケメン俳優の存在を教えてくれた瞬間でした(・∀・)

 

基本的に封切り作品も含めて、邦画そのものに殆ど興味のなかった私。上の世代の俳優さんとなると、子供時代にテレビで観ていたドラマ(主に大映ドラマw)に出ていた方しか分かりません(だから、若林豪さんとかは知っていたわけですが)。なので、この時の吉田輝雄さんの印象は「昔の二枚目俳優」ではなくて、超イケメンが目の前に突如現れた!という感じ。そして、スタイルの良さも顔の良さも洗練されていて現代的ヾ(o´∀`o)ノ

 

ハマったら追い駆け出すオタク気質。その年の年末はU-nextで配信されていた「網走番外地」や「日本暗殺秘録」を観て過ごすことに(なんちゅう年越しw)。

 

年始はまたこれ、私を狙ったのか?と言いたくなるようなタイミングで発刊された「僕らを育てた俳優のすごい人」を読んで、せっせと吉田輝雄と日本の映画史について知識を習得していきます。

僕らを育てた俳優のすごい人 吉田輝雄編

僕らを育てた俳優のすごい人 吉田輝雄編

 

 

1960年から続く怒涛の映画出演、68年からいきなり凄いタイトル(・・;)の映画出演が続くこと、そして1970年になって映画出演がぱったり途絶えてしまうこと。Wikipediaで見ていたフィルモグラフィーの謎がわかってきます。これ読んで、この後ほかの作品をいろいろ見るようになって、そういう経歴―自分の俳優としての価値やイメージより恩師についていくことを優先した―の人で、そんな人間性が役を通して伝わってくるから一気にファンになったのかも!とか一人いろいろと妄想を捗らせることにw

 

平成30年1月6日 ラピュタ阿佐ヶ谷で「今年の恋」(昭和37年)鑑賞。

U-nextやAmazonなど配信でみられるものを一通り年末に見終わるとwあとはどうやって作品を観ればいいんだろ?となって都内に沢山ある名画座の存在を知ります。で、なんと、このタイミングで「今年の恋」の上映をしている!悩みに悩んでw2日前にパパに「阿佐ヶ谷に映画を観に行きたい!」と突如伝え、息子のことを託し、ラピュタ阿佐ヶ谷へ(追っかけやん)。いや、もう、これ、さらにドツボにはまりますよねw「今年の恋」の上映中、出てくるたびにハンサム過ぎて一人で思いっきりニヤけて観て、劇場で売っていたマルベル堂のブロマイドを買って帰宅(゜∀゜)正さんの格好良さの余韻をひきずって、電車の乗る方向を間違える始末w

 

その後は、近所のTSUTAYAには置いてないけど、ソフト化されている作品を観るにはどうすべきかと、TSUTAYAディスカスに登録して「地帯シリーズ」や「古都」などを借りまくり、Twitterに映画の感想と「輝雄様カッコいいヾ(o´∀`o)ノ」と書き連ねる日々(笑)

そして気付いたのです!映画を見終わった時の感じ(主に“いかにカッコよかったか”ということについてw)を自分の中で反芻するのにTwitterじゃ不便すぎることに!そこで「ブログにしちゃおう!」と相成りました。(ここまでの文章長いなw)

2月に「ゴールドアイ」の放送が終わってしまって吉岡さんロス、ですが、

平成30年3月

「決着」(昭和42年作品)

 

平成30年4月

「続・決着」(昭和43年作品)

「真赤な恋の物語」(昭和38年作品)

 

と、幸運なことにソフト化されていなかった作品を東映チャンネルや映画館で観る機会が続き、「吉田輝雄がいかにカッコよかったか」をどこかに向かって言いたいがために!ひたすらブログを更新することに(「羅生門」とかつなぎの状態だよw)。

 

松竹大谷図書館に1日中引きこもったり、TSUTAYAになかった「女王蜂と大学の竜」と「女巌窟王」を借りるためにDMMに登録したり(その後結局前者のほうは中古で購入)、雑誌「映画秘宝」のバックナンバーを買ってインタビューを読んだり、と思いつく限りの方法で出演作品に触れまくり、Twitterで「輝雄さんかっこいい!」って言い続けていたら、下村健さんからリプをいただけるようになってインタビューされた時の話を教えていただいたりとか、もう、ヾ(*´∀`*)ノ キャッキャッ♪して過ごす日々w

そんな折、当ブログにMKB様からのコメントをいただきます。MKB様、輝雄さんのお知り合いで、なんと、拙ブログを輝雄さんもご覧になっている、とのこと。いや、もうね、「あこがれの先輩に読まれないことを前提に、いかに先輩のことが好きか書き綴った日記」みたいな調子のブログを(笑)まさか、その”あこがれの先輩”に読まれてしまっているわけです!恥ずかしすぎ!

 

このブログには昨年の7月に「犯罪のメロディー」の感想を更新したのに始まり、「爆弾を抱く女怪盗」「女弥次喜多タッチ旅行」「愛染かつら」「100万人の娘たち」「泣いて笑った花嫁」と、通常の方法(DVDソフトやテレビ放送、ネット配信、映画館での上映など)では、ブログを初めてからの期間で観ることができない作品の感想があります。これらはすべて、MKB様が持っていらっしゃったものから提供いただいて観ることができた作品(ありがとうございます!)で、このやりとりを通じて、MKB様が輝雄さんとお話されたことなどを教えていただいたり(私と同じように「ゴールドアイ」の再放送をきっかけにファンになった女性は他にもいらっしゃって、お店に直接電話をかけられた方がいたことなども教えていただきました(笑))、メールで何度もやりとりさせていただくようになりました。

 

と、そんな素敵な機会をいただいているうちにあっという間に迎えた令和元年も2カ月を過ぎたころ。MKB様から、「ある大きなプレゼントを送りますよ」というメールをいただきました。

そしてメールから4日後、「伊勢佐木町ブルース」と一緒に届いたのがこちら!

 

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私の名前と“縁に感謝”の言葉。ファーッ(≧∇≦*)ってなりますやん。(しかも達筆でいらしてさらにステキってなるし!)

 

MKB様からのお手紙も添えられていて、MKB様から輝雄さんへ私へのサインをお願いしてくださり、快諾していただいた、とありました。そしてこのメッセージについて。。。

 

吉田さんはサインにメッセージを込める習慣がありまして今回は「縁に感謝」。この時期に長らく放送のなかった「ゴールドアイ」が陽の目をみたことによって、【私】さんが吉田さんの旧作をおってブログに紹介してくれるようになったのも「縁」であるとのことで、お互いにその「縁」に感謝をささげたいとのことです。

 

ファーッ(≧∇≦*)ってなりますやん(2回目)。そして、私が嬉々としてw書き記しているご出演作の感想について、

 

ただ褒めそやす一方ではなく、良くない部分もちゃんと指摘しているというその見巧者ぶりに吉田さんはとても感心していました。

 

ファーッ(≧∇≦*)ってなりますやん(3回目)。

 

沢山の主演映画を撮り、また、名匠・名優とたくさんの作品を撮られた方が、東京の隅っこのほうで、好きすぎてブログ書き始めちゃったただの兼業主婦(しかも、「演技が硬いw」とか何様だよ、みたいな感想にも怒るでもなく、読んでいただいて)にこんなにステキなメッセージをくださって、私が勝手にw妄想していた”そういう経歴―自分の俳優としての価値やイメージより恩師についていくことを優先した―の人で、そんな人間性が役を通して伝わってくるから”っていう部分が、やっぱりほんとにそうなんだわ!って思えて、そのかっこよさにあらためて(〃゚∇゚〃)となったのでした!

 

というわけで表題。

平成がもうすぐ終わるという頃に放送された昭和45年の「ゴールドアイ」で初めて出会った吉岡さん=吉田輝雄さんは、想像通り、いつまでもステキでかっこよい方で!好きって言い続けていて良かったなぁ、って思うのでありました٩(๑❛ᴗ❛๑)۶

 

村山新治監督「夜の歌謡シリーズ  伊勢佐木町ブルース」

“ヒモ”なのにかっこいいとはどういうことだ。

夜の歌謡シリーズ 伊勢佐木町ブルース [DVD]

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 【映画についての備忘録その60】

村山新治監督×梅宮辰夫主演「夜の歌謡シリーズ  伊勢佐木町ブルース」(1968年)

 

伊勢佐木町でバーやキャバレーの新開店の準備を請負う”オープン屋”の宮田(梅宮辰夫)。土地成金で農家の大倉(伴淳三郎)は、開店したばかりのキャバレーで出会った宮田に、1500万円でバーの開店を依頼する。ただし、ママになる女を自分の愛人にするのが条件。この仕事を引受けた宮田は、人気ホステスだったれい子(宮園純子)を口説き落とす。伊勢佐木町裏にあったバーを買収して、大倉の愛人になる話はふせたまま、彼女をママにしてバー「れい子」が開店した。

大倉は、宮田が自分の愛人になる話をれい子に承知させていないばかりか、夜をともにしている事に腹を立てて、愚連隊を集めて宮田を囲み、何とかしろと迫る。しかし、れい子を差し出す気のない宮田は、自分を慕うホステス、チャコ(清水まゆみ)に、大倉の相手をさせるのだった。

その夜、宮田がれい子のマンションを訪れると、そこにはれい子のかつての男で、刑務所から出てきたばかりの竹村(吉田輝雄)がいた。ベッドで抱き合う二人にショックをうけた宮田は、竹村にれい子から手を引かせようと、金で話をつけようとするのだが・・・。

 

 

「夜の歌謡シリーズ  伊勢佐木町ブルース」はソフト化&レンタルもされている映画で、輝雄さんファンになったばかりの昨年の1月、まだこのブログを書き始める前、TSUTAYAでレンタルして鑑賞した作品です。今作の輝雄さんは予想を裏切る方の格好良さで、いつかこれも感想を書こうと思っていたところ、今年7月になって、ある特別なプレゼントとともに(それについては次の記事で)私の元にDVDがやってきてくれて、1年半ぶりの鑑賞となりました。

 

で、この作品、なんか小難しいことはさておいて、という映画。女たらしの男とそれを取り巻く女たちの話。うん、文字通り、それだけの映画。個人的な好みの問題です、という前置きをしつつ、ストーリーはこれといって取り立てたものはないし、伴淳三郎さんのコミカルなパートも、大物コメディアンということは知っているのですが、この作品に関して言えば、やりすぎ感、出すぎ感があって笑えないし…。”歌謡映画”として青江三奈さんが「伊勢佐木町ブルース」を劇中で唄ってくれている、というサービス以外はとくにうまくいっている感じがしません。梅宮さんは軟派路線が受けていたということですし、梅宮さんを生かすストーリーと伊勢佐木町ブルースのヒットにあやかって、なんとか作った映画、という印象。

 

そんな印象だというのにこうして感想を書いているのは、はい、もちろん、上述の通り、吉田輝雄がカッコよかったから(・∀・)「決着」二作品と同じくで、主演の梅宮さんよりかっこいい(役回りはそんなことないのにw)!硬派な役が多い輝雄さんが“ヒモ”を演じているという貴重さと(他に映画でのこういう役は未見の「霧子の運命」くらいなのかな。)、ヒモなのにというか、もっと言えば自分の女を金で渡す話に乗っちゃうようなひどい男なのにw他の映画では観られない類のかっこよさと色っぽさを醸し出していて、硬派な作品のそれとは違う方向で、観ていて(//∇//)ってなっちゃう作品。なんだかご本人も、この竹村という役を楽しげに演じておられるように見えます(・∀・)

 

竹村が2年の刑務所暮らしの後に出所すると、組長が逮捕されていて組も解散。行く当てもなくて、昔の女だったれい子の元を訪ねます。バーにやってきた竹村の姿にドキッとするれい子。

鋭い視線でれい子を見つめますが、

「おまえのことは忘れられなかったぜ」

という甘いセリフ。竹村にれい子は刑務所に入っていた間に手紙も送らなかったことを、社交辞令なのか本心なのかといった風に謝り、竹村は「誰だって務所に入った男なんざ、縁を切りたくならぁね」とさらっと笑顔で流します。優しくて理解あるような台詞からの…

 

「アパートどこだよ。鍵を貸してもらおうか」

 

この流れがやたらカッコいいんだヾ(*´∀`*)ノヒモなのに!低いトーンで当たり前のように、そして、有無を言わせない感じで、れい子から鍵を受け取って、彼女のマンションへ転がり込みます。  

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アパートの鍵を貸せというのに、めっちゃ色っぽいのよ。

 

で、もう、あとは宮田の前に障壁のように立ちはだかります。れい子も宮田に対して竹村のことを「あの人」なんて言っていて、宮田を好きだけど竹村にも情が残っている、という雰囲気。そりゃ、こんな男前が帰ってきちゃったらねぇ(っ´ω`c)

同じ1968年の「続・決着」では、真っ直ぐな恋を演じていた輝雄さんと宮園さんの組合せでしたが、こちらでは、真逆なようなカップル。いやー、ありがとうございますw

 

 

立ちはだかった最後は二人で決闘となります。ここは宮田の見せ場。相手は出所してきたばかりのヤクザ。敵うはずのない相手に命がけで挑むあたりのかっこよさ。軟派だけどカッコいいみたいなとこが、らしさ、なのかな。

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このアクションシーンは短かったけど、展開もスピーディーで、緊張感のあるシーンでした。

うん、で、やっぱり(!?)、この二人が並ぶと輝雄さんのスタイルの良さを再確認することになって、結局ここでも竹村のかっこよさに(っ´ω`c)となったり。

 

 

最後に。この映画、梅宮さん主演だし、輝雄さんにフォーカスして書いてますが(それは仕方ないw )、物語の主役はチャコとれい子の女性二人でした。とくに清水まゆみさんのチャコは、女ったらしに振り回され、利用され、それでも離れられない、まぁ、普通に言ったら“バカな女”です。もし、友達がこんな状況なら、こんな男とはさっさと別れちゃえ!って言う感じ。でも、清水まゆみさんの演じるチャコはかわいらしくて、いじらしくて、何となく応援したくなる。最後に宮田が戻ってきてくれて良かったね、と思える。

伊勢佐木町ブルース」の歌詞の世界、女性が主人公な気がするしね。そうなるか、なんて思いつつ。

 

うーん、それにしても、ヒモがこんなにカッコよくていいんだろうか(//∇//)